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弊社研究員が、事業再生の実務の合間に垣間見る様々なお金の毒について、
日頃の考えを投稿しています。
サディスティクな利子
利子には単利と複利があるのは皆さんご存知かと思いますが、ここで複利という利子が如何に魔物でサディステック(S)なのか、その痛みを実感してみましょう。
お金の毒の根源はこの複利にあるといっても過言ではありません。
単利なら利息は単純増加ですが、複利なら利息はガン細胞的に爆発増加をするのだということを皆さんは実感として十分理解されているでしょうか?
仮に一〇〇万円を単利十五%で借りて、まったく返済しなかったらどうなるか、そのグラフを書いてみます。

どうでしょうか?
グラフにしてみると五年ぐらい返済しないでいるなら、単利では1.75倍、複利では元金の約2倍に借金がふくらみ、「まあ、しょうがないかぁ」というレベルなのですが、その後、爆発的に借金は自己増殖するのがお分かりだと思います。三〇年もたったら、もう、これは、これだけで詐欺的な利息となるのです。自然な増加ではあ りません。
時空間を論ずる相対性理論で有名なアルバート・アインシュタインは『人類最大の発明は複利である。』、『世界で最も強いのは複利である。』と皮肉ったのは有名な話です。
ワンポイントレッスン:
ちなみに余計な話ですが、金利計算で便利なものとして「七十二の法則」というのがありますが、それは「元金が二倍になるまでのおおよその年数は、七十二を利率で割ればよい。」というものです。住宅ローンなど、お金をどうしても借りなければならないとき、借りるかどうかをすぐ判断する際に便利ですので覚えておいてください。
ですから、こんなことにならないために、あなたはもう働き蜂になってセッセと元金も含め、早期に返済しなければなりません。人間らしく生活をするには短期で利息を上回る利益を商売であげて、元金も含め早く返済しなければなりません。
お金は本来、物々交換の手段でありました。その中において大変便利な交換手段としてお金は生まれました。『魚と野菜を交換する。野菜と肉を交換する。』それが、お金の大切な基本、原点なのです。
ただ、それら自然的な物の価値(成長)は、例えば、魚であれば最少は小魚ですが、時間とともに急激に大きくなり、ある程度大きくなると徐々にその成長率は減少し、あるとき死んで価値がゼロになる、という成長(価値の増加)となります。そして、最後は必ず価値がゼロになります。そういうものを物々交換することが基本的な人間の経済の営みです。
(ここでは、魚と同じ、生物である人間の身長Bと年齢Nとの成長曲線を描いてみました。ただし、一人のデータではなく、平成一〇年の国民の平均データを代用としています。)

そして、先ほどのグラフと、この生物の生長曲線からの比較で明らかですが、複利の増加曲線は生物のN年後の身体的成長度合をBとする成長曲線とは丸っきり対照的な弧をえがきますね。お金は、複利という魔力によって、自然なものとはとてもかけ離れた宇宙人的というか、エイリアン的な、サディステックな、増加をするものなのです。
野菜や魚は自然なものなのですが、お金は不自然なのです。しかも、時間、空間を越えて価値が変わりません。死にもしないのです。お金は人間が発明した「化け物」なのです。
古代ギリシャの偉大なる哲学者アリストテレスはその著書「政治学」の中で、こう述べています。
『貨幣が貨幣を生むことは自然に反している。』
いずれにしても、これは大変なトリックです。これが原因で皆さんは借金で苦しんでいるのです。お金を借りた時点で、お金のガン細胞を貴方の会社に植え付けられたと同じなのです。気付かれないように、そっと、お金の毒は感染するのです。
利子のカーブは本来、自然的な物の物々交換という人間の営みの一部という意味から、本来は生物の成長曲線に近い曲線であるべきなのです。まだ、単利のほうがより自然に近いカーブ?であるといえますね。(注1)
ですから、お金のヒステリックな増加には元々人間は追いついていけません。サディスティックな女王、利子(りこ)様にビシッバシッと鞭打たれ、汗水たらして働かなければなりません。 これが、拝金主義を生みますし、格差社会や、利益優先するが故の環境破壊を生み出すのです。
また、逆に、利子は、お金を預けるだけで何もせずに生きていくという反自然的、寄生虫的輩も生み出すのです。これを私たちはお金の積毒「つんどく」と言っています(笑)。
(注1)お金の不自然さをなくし、生きているものの姿にお金を近づけるべく、「老化する紙幣」というものを考えだした人がいます。地域通貨などで、その考え方が使われています。時間が経つとお金の価値が減少するのですが、そのため、人々は時間が経たないうちに早く地域通貨を使用しよう、としますから、お金の回転が良くなり、地域経済が活性化するのです。ですが、今回はこれ以上ふれず、次回の宿題としたいと思います。

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